慢性維持透析患者における心房細動カテーテルアブレーション治療

慢性維持透析患者における心房細動(AF)発症率は高いものの,抗不整脈薬の使用制限などから透析管理が困難な場合が多い.一方で,透析患者におけるAFアブレーションについての詳細な報告は少ない.自験例の透析患者群(23名)でのAFアブレーション治療の現状は,複数回セッション(平均1.46±0.5回)後の洞調律維持率は47.7%であり,条件を合わせた非透析患者群(46名)の成績(治療回数平均1.20±0.5回)の75.6%と比較して低い傾向であった(p=0.07).両群の患者背景を比較したところ,カテーテルの抵抗値が透析患者群では低値で,通電中の抵抗値低下率の低さが多変量解析で有意であった.また,イリ...

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Published in心電図 Vol. 32; no. 4; pp. 333 - 339
Main Authors 小堀, 敦志, 高橋, 淳, 古川, 裕, 滝川, 正晃, 桑原, 大志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2012
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.32.333

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Summary:慢性維持透析患者における心房細動(AF)発症率は高いものの,抗不整脈薬の使用制限などから透析管理が困難な場合が多い.一方で,透析患者におけるAFアブレーションについての詳細な報告は少ない.自験例の透析患者群(23名)でのAFアブレーション治療の現状は,複数回セッション(平均1.46±0.5回)後の洞調律維持率は47.7%であり,条件を合わせた非透析患者群(46名)の成績(治療回数平均1.20±0.5回)の75.6%と比較して低い傾向であった(p=0.07).両群の患者背景を比較したところ,カテーテルの抵抗値が透析患者群では低値で,通電中の抵抗値低下率の低さが多変量解析で有意であった.また,イリゲーションカテーテルを使用した透析患者群の初回セッション後における洞調律維持率は75%で,非イリゲーションカテーテル使用群での29.5%に比較し改善傾向にあり,今後の治療成績改善が期待される.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.32.333