間質性肺炎が先行して発症した関節リウマチの1例

間質性肺炎の原因は多岐にわたり, 診断にあたっては粉塵吸入や薬剤によるもの, さらに膠原病やサルコイドーシスなどの全身性疾患を鑑別すべきである. そのためには詳細な問診や理学所見, 検査所見を見逃さないことが重要である. そして, 今日の医療水準では原因が特定できない場合に, 特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias, IIPs)という診断に至る. しかし中には間質性肺炎で発症し, 当初は"特発性"と診断していたが, 後に膠原病の症状, 所見が顕在化し二次性間質性肺炎と判明する例があり, 十分な経時的観察が必要である. このよう...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 2; pp. 79 - 83
Main Authors 松本, 亜紀, 臼杵, 二郎, 吾妻, 安良太, 工藤, 翔二, 榎本, 達治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2005
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.1.79

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Summary:間質性肺炎の原因は多岐にわたり, 診断にあたっては粉塵吸入や薬剤によるもの, さらに膠原病やサルコイドーシスなどの全身性疾患を鑑別すべきである. そのためには詳細な問診や理学所見, 検査所見を見逃さないことが重要である. そして, 今日の医療水準では原因が特定できない場合に, 特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias, IIPs)という診断に至る. しかし中には間質性肺炎で発症し, 当初は"特発性"と診断していたが, 後に膠原病の症状, 所見が顕在化し二次性間質性肺炎と判明する例があり, 十分な経時的観察が必要である. このような症例は, 決して稀ではなく日常診療上知っておく必要があると考えられるので, ここに呈示する. 症例:69歳, 男性主訴:労作時呼吸困難 既往歴:高血圧(55歳, 加療中), 急性心筋梗塞(57歳), 白内障(62歳). アレルギー歴なし 喫煙歴:ex-smoker30本/日×30年(20~50歳)職業歴:57歳までタクシー運転手, 以後運送業, 明らかな粉塵吸入歴はなし ペット飼育:なし 羽毛布団使用歴:なし
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.1.79