胎児心磁図
「I. 胎児心磁図とは」 心臓の電気的活動における電位変位を体表の電極を介して記録したものが心電図であるが, 心臓の電気的活動から発生する磁場変化を記録したものは心磁図と呼ばれる. 超伝導技術の進歩により超伝導量子干渉計(Superconducting Quantum Interference Device : SQUID)を用いた超高感度の心磁計が開発され, 子宮内の胎児心臓から発生する微弱な磁場変化を母体腹壁上から非侵襲的にとらえることが可能となり, 間接的に胎児心臓の電気的活動を心電図同様のPQRST波形として記録できる. 胎児MRI検査のように胎児に磁場を与えるものではなく, 胎児心臓...
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Published in | 心電図 Vol. 36; no. 3; pp. 212 - 215 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2016
日本不整脈心電学会 |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.36.212 |
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Summary: | 「I. 胎児心磁図とは」 心臓の電気的活動における電位変位を体表の電極を介して記録したものが心電図であるが, 心臓の電気的活動から発生する磁場変化を記録したものは心磁図と呼ばれる. 超伝導技術の進歩により超伝導量子干渉計(Superconducting Quantum Interference Device : SQUID)を用いた超高感度の心磁計が開発され, 子宮内の胎児心臓から発生する微弱な磁場変化を母体腹壁上から非侵襲的にとらえることが可能となり, 間接的に胎児心臓の電気的活動を心電図同様のPQRST波形として記録できる. 胎児MRI検査のように胎児に磁場を与えるものではなく, 胎児心臓から発生した磁場変化を計測するものであり, 胎児および母体にはまったく侵襲のない安全な検査である. 現在, 国内で薬事承認されている心磁計測システムは成人・胎児兼用タイプで, 64チャネル同時計測が可能な日立ハイテクノロジーズ社製MC-6400のみであり, 筑波大学附属病院と国立循環器病研究センターの2施設に導入され, 稼働している. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.36.212 |