Rifampicinの臨床的耐性の限界と血清抗菌力

Rifampicin(以下「RFP」と略す)の研究報告は既に多数あるけれども, 血清抗菌力の研究を含むものは少ない. 著者らは, 結核化学療法時の血清抗菌力について数次に報告したのであるが, 1)2)RFPについても同様の実験をおこない, 興味ある所見を得ていた. 3)今回RFPが市販せられるに至り, 当療養所においても, その臨床成績を集積したので, RFP治療における排菌の推移の評価と耐性検査成績の評価を試みた. 4)血清抗菌力の研究は, 臨床成績の理解のために, 有益な示唆を与えると考察したので, 両群の研究とともに報告する. 「RFP内服後の血清抗菌力」I. 研究方法 1. 抗菌力測定...

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Published in医療 Vol. 27; no. 8; pp. 679 - 684
Main Authors 岡本, 亨吉, 渡辺, 定友, 小泉, 雄一, 照沼, 毅陽, 野崎, 正彦, 柳内, 登, 渡辺, 皎平, 高島, 正, 井上, 宏司, 奥富, 克二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1973
医療同好会
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Summary:Rifampicin(以下「RFP」と略す)の研究報告は既に多数あるけれども, 血清抗菌力の研究を含むものは少ない. 著者らは, 結核化学療法時の血清抗菌力について数次に報告したのであるが, 1)2)RFPについても同様の実験をおこない, 興味ある所見を得ていた. 3)今回RFPが市販せられるに至り, 当療養所においても, その臨床成績を集積したので, RFP治療における排菌の推移の評価と耐性検査成績の評価を試みた. 4)血清抗菌力の研究は, 臨床成績の理解のために, 有益な示唆を与えると考察したので, 両群の研究とともに報告する. 「RFP内服後の血清抗菌力」I. 研究方法 1. 抗菌力測定方法の概要 ウイダール管に採つた感受性結核菌のDubos半流動寒天混釈培養上に, RFP溶液や血清1mlを重層して培養すると, 薬剤による発育阻止を観察することができる. 既報1)2)のように, SM, KM, VM, PAS, INH, CS, TH, EBではそれぞれ一定の濃度のときに, 重層液と寒天柱の境界面から一定の深さまでは増殖が阻止せられ, 一定の深さの部分にのみ, すなわち, 一定の阻止帯を隔てて集落発育層が現われた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.27.679