二次元デジタル電気泳動分離のための異種機能性ハイドロゲル集積カートリッジデバイスの開発

タンパク質混合試料の分離分析法として,一次元目に等電点電気泳動,二次元目にポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う二次元電気泳動法が一般的に利用されている.しかしながら,従来法では煩雑な実験操作と長い分析時間を要するほか,多量の試薬を消費する点が課題であった.そこで本研究では,これまでに開発してきたデジタル電気泳動に関する知見を基に,異種機能性ゲルが二次元的に配置・集積された平板型カートリッジデバイスを開発した.モデルタンパク質を用いた基礎評価の結果,作製したデバイスと治具を用いた試料導入,デジタル分子ふるい電気泳動,及びpH緩衝ゲルを用いたデジタル等電点電気泳動がそれぞれ可能であることが確認され...

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Published in分析化学 Vol. 72; no. 9; pp. 369 - 375
Main Authors 金岡, 忠政, 遠藤, 達郎, 久本, 秀明, 末吉, 健志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.09.2023
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Summary:タンパク質混合試料の分離分析法として,一次元目に等電点電気泳動,二次元目にポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う二次元電気泳動法が一般的に利用されている.しかしながら,従来法では煩雑な実験操作と長い分析時間を要するほか,多量の試薬を消費する点が課題であった.そこで本研究では,これまでに開発してきたデジタル電気泳動に関する知見を基に,異種機能性ゲルが二次元的に配置・集積された平板型カートリッジデバイスを開発した.モデルタンパク質を用いた基礎評価の結果,作製したデバイスと治具を用いた試料導入,デジタル分子ふるい電気泳動,及びpH緩衝ゲルを用いたデジタル等電点電気泳動がそれぞれ可能であることが確認された.さらに,複数のpH緩衝ゲル及び分子ふるいゲルが配置・集積されたカートリッジデバイスを用いた二次元デジタル電気泳動について検証した結果,同一デバイス内での連続的二次元デジタル分離が実証された.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.72.369