繰り返す喀血に対する Occluding spring embolus による気管支・肋間動脈塞栓術

喀血を繰り返す54歳女性に経カテーテル的気管支・肋間動脈塞栓術を行なった。塞栓材料としてスポンゼル, occluding spring embolusを使用した。スポンゼルによる第1回塞栓術後2 3日で血痰・喀血は止まったが, 3週間後閉塞させた血管は再開通していたため, 再びスポンゼルによる塞栓術を行なった。患者は4ヵ月後喀血を訴えて来院した。再開通が認められ, 他にも血流豊富な血管が認められた。緊急的にスポンゼルによる止血を行なった。体力・病状の点から手術は困難と考えられたため, 血管を永久に閉塞させる必要があった。ダクロン線維のついた小さいステンレスワイヤーを用いて血管塞栓術を行なったが...

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Published in気管支学 Vol. 5; no. 2; pp. 161 - 168
Main Authors 岡田, 賢二, 人見, 滋樹, 前里, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1983
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Summary:喀血を繰り返す54歳女性に経カテーテル的気管支・肋間動脈塞栓術を行なった。塞栓材料としてスポンゼル, occluding spring embolusを使用した。スポンゼルによる第1回塞栓術後2 3日で血痰・喀血は止まったが, 3週間後閉塞させた血管は再開通していたため, 再びスポンゼルによる塞栓術を行なった。患者は4ヵ月後喀血を訴えて来院した。再開通が認められ, 他にも血流豊富な血管が認められた。緊急的にスポンゼルによる止血を行なった。体力・病状の点から手術は困難と考えられたため, 血管を永久に閉塞させる必要があった。ダクロン線維のついた小さいステンレスワイヤーを用いて血管塞栓術を行なったが, カテーテル交換法により安全に行なうことができ, 結果は満足するものであった。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.5.2_161