DNAナノテクノロジーを利用した核酸医薬CpG-DNAの送達

核酸医薬の一種であるCpG-DNAは一本鎖の状態で免疫細胞の後期エンドソーム内に局在するToll-like receptor 9 (TLR9)に認識され,細胞性免疫を活性化することが知られている.そのため,がんやアレルギー疾患などの治療薬やアジュバントとして注目されている.しかし,CpG-DNAは生体中のヌクレアーゼによって速やかに分解されてしまう.最近の研究によると,CpG配列を含むDNA構造体は,ヌクレアーゼからの分解を防ぎ,免疫を活性化することが報告されている.本研究では後期エンドソームの酸性環境下でCpG部分が一本鎖の状態になり,免疫活性を示すpH応答性のDNA構造体を作製した.免疫活...

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Published inKōbunshi ronbunshū (Tokyo) Vol. 74; no. 6; pp. 603 - 607
Main Authors 望月, 慎一, 宮本, 寛子, 櫻井, 和朗, 徳永, 秀人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益社団法人 高分子学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
Subjects
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2017-0019

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Summary:核酸医薬の一種であるCpG-DNAは一本鎖の状態で免疫細胞の後期エンドソーム内に局在するToll-like receptor 9 (TLR9)に認識され,細胞性免疫を活性化することが知られている.そのため,がんやアレルギー疾患などの治療薬やアジュバントとして注目されている.しかし,CpG-DNAは生体中のヌクレアーゼによって速やかに分解されてしまう.最近の研究によると,CpG配列を含むDNA構造体は,ヌクレアーゼからの分解を防ぎ,免疫を活性化することが報告されている.本研究では後期エンドソームの酸性環境下でCpG部分が一本鎖の状態になり,免疫活性を示すpH応答性のDNA構造体を作製した.免疫活性化の評価より一本鎖CpG-DNAよりも高い免疫活性を得ることができ,四面体型DNAが効率的な核酸アジュバントであることが示された.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
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content type line 14
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2017-0019