喉頭・気管乳頭腫症の 1 例

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 8; no. 1; pp. 97 - 102
• Main Authors: 石原, 享介, 片上, 信之, 岩崎, 博信, 谷口, 郷美, 坂本, 廣子, 李, 英徹, 白根, 博文, 和田, 洋己, 人見, 滋樹, 中井, 準, 内田, 博也, 梅田, 文一
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1986; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• Subjects: レーザー治療; 喉頭乳頭腫; 気管乳頭腫症; 血痰
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.8.1_97

45歳の男にみられた喉頭・気管乳頭腫症を報告する。組織片の喀出と血痰を主訴として受診し, 気管支鏡検査で気管に多発性の乳頭腫がみられた。10年前, 35歳に喉頭乳頭腫の治療をうけており, 気管にみられた乳頭腫は喉頭乳頭腫の下気道への進展と考えた。局所再発や気管支での乳頭腫発生の可能性が高いと考えレーザー治療を行なった。レーザー治療中に左声帯に新たに乳頭腫がみられ, レーザー治療後に気管での小腫瘤の新たな出現がみられ, 再発が示唆された。気管・気管支に乳頭腫がみられる場合, 喉頭乳頭腫の既往の有無および腫瘍が孤立性が多発性かは, 治療方針や予後を考えるうえで重要である。既往歴に喉頭乳頭腫のあるものや多発性のものでは局所再発や気管・気管支での新たな乳頭腫の発生, さらに悪性化の可能性を考慮して治療する必要がある。