肝硬変症に続発した肝性昏睡2例の臨床経過
肝硬変に由来する肝性昏睡の2症例を経験した. 彼らは系統的な検査をうけたが, それらの検査は血清肝機能検査, 出血傾向, 肝シンチグラム, 上部消化管透視, 血中アンモニア, 血管内凝固関係(DIC), エンドトキシン, 脳波とそれに血漿アミノ酸の解析を含んでいる. これらの患者は初診時, 血清ビリルビン3mg/dl以上, 血清アルブミン2.5g/dl以下であり, 肝臓は萎縮し腹水著明で食道静脈瘤も存在し, はじめは予後が極めて不良であると考えられていた. 1例において血中アンモニア値は著しく上昇しており, 他の症例では脳波の異常が認められた. L-Dopaを含む治療がなされた. その結果,...
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Published in | 医療 Vol. 33; no. 4; pp. 401 - 405 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1979
医療同好会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.33.401 |
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Summary: | 肝硬変に由来する肝性昏睡の2症例を経験した. 彼らは系統的な検査をうけたが, それらの検査は血清肝機能検査, 出血傾向, 肝シンチグラム, 上部消化管透視, 血中アンモニア, 血管内凝固関係(DIC), エンドトキシン, 脳波とそれに血漿アミノ酸の解析を含んでいる. これらの患者は初診時, 血清ビリルビン3mg/dl以上, 血清アルブミン2.5g/dl以下であり, 肝臓は萎縮し腹水著明で食道静脈瘤も存在し, はじめは予後が極めて不良であると考えられていた. 1例において血中アンモニア値は著しく上昇しており, 他の症例では脳波の異常が認められた. L-Dopaを含む治療がなされた. その結果, 患者は昏睡から覚醒し, 現在300日以上存命中である. 肝性昏睡に対するL-Dopaの有効性とその特殊性は将来, 血漿アミノグラムの異常またはpseudoneurotransmitterと関連して研究されなければならないだろう. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.33.401 |