フィリピン・セブ州に長期滞在する日本人が医療機関を受診した経験の特徴

本研究は,フィリピンに長期在住の日本人が医療機関を受診した際の経験を明らかにすることを目的とした。セブ州に住み,医療機関の利用経験がある日本人 20名に,半構造化面接法を行った。内容分析法を用いて分析した。対象者の平均年齢は 65.7歳で, 12人は日常生活に不便がない程度の英語能力であった。 404の記述内容から【現地医療施設の受診を少なくするための健康意識とその行動】【医療スタッフの質に左右される多様な受診経験】【求めるサービスの得られにくさ】【意思疎通の困難さ】【新しい患者・医師関係を形成する必要性の自覚】【現状をふまえた適切な医療への要望】の6カテゴリーが抽出された。看護師は,現地に住...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 41; no. 5; pp. 5_853 - 5_862
Main Authors 中井, あい, 山田, 和子, 森岡, 郁晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.12.2018
Japan Society of Nursing Research
Subjects
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20180427028

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Summary:本研究は,フィリピンに長期在住の日本人が医療機関を受診した際の経験を明らかにすることを目的とした。セブ州に住み,医療機関の利用経験がある日本人 20名に,半構造化面接法を行った。内容分析法を用いて分析した。対象者の平均年齢は 65.7歳で, 12人は日常生活に不便がない程度の英語能力であった。 404の記述内容から【現地医療施設の受診を少なくするための健康意識とその行動】【医療スタッフの質に左右される多様な受診経験】【求めるサービスの得られにくさ】【意思疎通の困難さ】【新しい患者・医師関係を形成する必要性の自覚】【現状をふまえた適切な医療への要望】の6カテゴリーが抽出された。看護師は,現地に住む日本人に求めるサービスを得ることがむずかしいことを伝え,望ましい患者 -医師関係の形成を支援するとともに健康増進のための自己管理を支援する必要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20180427028