脳神経外科におけるてんかん患者の実態

過去7年間に国立大阪病院脳神経外科を訪れた全てんかん患者160例について実態調査を行い次の結果を得た. 回答率は56.3% (90例)であつた. 1) 性格特徴のきちようめんさと相まつて, 抗てんかん薬の内服の励行は78%が行つている. 2) てんかん発作は20才までに90例中64.5%, 160例中61.9%が初発している. 3) 外傷性てんかんは40代50代の男性にみられた. 4) 熱性けいれんの既往は24.4%に認められた. 5) 職業上の問題はあまりみられなかつた. 6) 自動車の運転は法律上禁止されているにもかかわらず数例の人が行つている. 7) 患者の側からみたてんかんの予後は,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 29; no. 3; pp. 227 - 231
Main Authors 岩田, 吉一, 外賀, 昭, 赤木, 功人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1975
医療同好会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:過去7年間に国立大阪病院脳神経外科を訪れた全てんかん患者160例について実態調査を行い次の結果を得た. 回答率は56.3% (90例)であつた. 1) 性格特徴のきちようめんさと相まつて, 抗てんかん薬の内服の励行は78%が行つている. 2) てんかん発作は20才までに90例中64.5%, 160例中61.9%が初発している. 3) 外傷性てんかんは40代50代の男性にみられた. 4) 熱性けいれんの既往は24.4%に認められた. 5) 職業上の問題はあまりみられなかつた. 6) 自動車の運転は法律上禁止されているにもかかわらず数例の人が行つている. 7) 患者の側からみたてんかんの予後は, 20代30代は楽観的, 40代50代は悲観的である. 8) 患者側の最大の問題点は発作と関連した精神的不安であり, この不安から解放されたいと常に願つている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.29.227