ニューロフェリチノパチーの臨床

ニューロフェリチノパチーは,フェリチンL鎖遺伝子変異に起因する常染色体優性遺伝の神経疾患で,脳全体の広範な鉄,フェリチン沈着を特徴とする.6つの病因遺伝子変異が報告されており,そのうち1つは日本の家系での報告である.ジストニアと舞踏運動を主症状とするが,小脳症状や認知機能低下など,多彩な臨床像を呈する.頭部MRIでは鉄沈着を反映したT2強調画像,T2*強調画像低信号と,淡蒼球を中心とした嚢胞化が特徴的である.血清フェリチン低値もしばしばみられる所見である.ニューロフェリチノパチーは欧米を中心としたまれな疾患と考えられていたが,日本での症例が報告されたことで,日常臨床で鑑別すべき錐体外路系疾患の...

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Published in臨床神経学 Vol. 49; no. 5; pp. 254 - 261
Main Authors 当間, 忍, 長坂, 加織, 太田, 恵美子, 瀧山, 嘉久, 三輪, 道然, 塩澤, 全司, 長坂, 高村, 新藤, 和雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2009
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.49.254

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Summary:ニューロフェリチノパチーは,フェリチンL鎖遺伝子変異に起因する常染色体優性遺伝の神経疾患で,脳全体の広範な鉄,フェリチン沈着を特徴とする.6つの病因遺伝子変異が報告されており,そのうち1つは日本の家系での報告である.ジストニアと舞踏運動を主症状とするが,小脳症状や認知機能低下など,多彩な臨床像を呈する.頭部MRIでは鉄沈着を反映したT2強調画像,T2*強調画像低信号と,淡蒼球を中心とした嚢胞化が特徴的である.血清フェリチン低値もしばしばみられる所見である.ニューロフェリチノパチーは欧米を中心としたまれな疾患と考えられていたが,日本での症例が報告されたことで,日常臨床で鑑別すべき錐体外路系疾患の1つとして注目すべきと考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.49.254