妊娠に合併せる胃癌の1例
最近, 癌診断の進歩に伴い胃癌は早期に発見されるものも多く, その切除率や予後も漸時向上しつつあるとはいえ胃癌と妊娠を合併した場合, その切除率ならびに予後はかならずしも良好とはいえない. 最近, われわれは胃潰瘍として治療を受けていた患者で産褥5日目に心窩部に腫瘤が触知され, 検査の結果胃癌と判明し, 胃切除を施行し得た症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 患者 : 堀○セ○, 26才, 主婦 主訴 : 上腹部腫瘤. 家族歴 : 父は肝癌にて死亡. 生活歴 : 初潮15才で正調, 25才時で健康男子と結婚. 既往歴 : 19才の時, 肺浸潤に罹患. 現病歴 : 昭和3...
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Published in | 医療 Vol. 23; no. 3; pp. 421 - 424 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1969
医療同好会 |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.23.421 |
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Summary: | 最近, 癌診断の進歩に伴い胃癌は早期に発見されるものも多く, その切除率や予後も漸時向上しつつあるとはいえ胃癌と妊娠を合併した場合, その切除率ならびに予後はかならずしも良好とはいえない. 最近, われわれは胃潰瘍として治療を受けていた患者で産褥5日目に心窩部に腫瘤が触知され, 検査の結果胃癌と判明し, 胃切除を施行し得た症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 患者 : 堀○セ○, 26才, 主婦 主訴 : 上腹部腫瘤. 家族歴 : 父は肝癌にて死亡. 生活歴 : 初潮15才で正調, 25才時で健康男子と結婚. 既往歴 : 19才の時, 肺浸潤に罹患. 現病歴 : 昭和39年10月4日最終月経, 生来健康であつたが, 昭和39年12月初旬より, 食欲不振, さらに食後1時間すると, 約1時間持続する心窩部痛がありかつ嘔気, 嘔吐を訴えたが, 妊娠悪阻と思い特別の治療を受けなかつた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.23.421 |