新生児・乳児の腎皮質嚢腫

私共は10例の新生児, 乳児にみられた腎皮質散在性嚢腫についてその形態学的特質について述べた. 大多数のものは両側性であり, 小さい散在性のものであり, 腎皮質表層に存在する. 大きさは1mm直径位までである. この小嚢腫の存在は肉眼ではみおとされやすい. 私共はこれらの腎皮質嚢腫の分類を試みた. また, この形態学的病変から機能障害へと移行する症例の存在についても述べた. この小嚢腫の性状はまだ十分明らかではないけれども, 胎生期の早い時期の発育障害であり, 先天性感染症あるいは先天性中枢神経系障害の症例にしばしばみられるようである. 私共はまた染色体異常のある症例には, 腎の障害の伴うもの...

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Published in医療 Vol. 29; no. 3; pp. 217 - 226
Main Authors 古田, 睦広, 曽我, 啓一, 小塚, 良允, 鳥居, 昭三, 落合, 久明, 三宅, 廉, 竹内, 徹, 浅本, 仁, 長谷川, 美智子, 三宅, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1975
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.29.217

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Summary:私共は10例の新生児, 乳児にみられた腎皮質散在性嚢腫についてその形態学的特質について述べた. 大多数のものは両側性であり, 小さい散在性のものであり, 腎皮質表層に存在する. 大きさは1mm直径位までである. この小嚢腫の存在は肉眼ではみおとされやすい. 私共はこれらの腎皮質嚢腫の分類を試みた. また, この形態学的病変から機能障害へと移行する症例の存在についても述べた. この小嚢腫の性状はまだ十分明らかではないけれども, 胎生期の早い時期の発育障害であり, 先天性感染症あるいは先天性中枢神経系障害の症例にしばしばみられるようである. 私共はまた染色体異常のある症例には, 腎の障害の伴うものが多いことについても論及した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.29.217