いろいろの股関節疾患に対する人工股関節手術の経験

国立村山病院整形外科において, 1976年末までに施行された人工関節置換術は, 55症例66関節になる. 疾患分類では変形性股関節症, 慢性関節リウマチ, 大腿骨頸部骨折, 大腿骨頭壊死, 強直性脊椎炎および股関節結核と多種に分布する. とりわけ本院の特徴は, 高度の身障リウマチ, 強直性脊椎炎の経験が多いことであり, さらに陳旧性股結核や頸部内側骨折などに対する積極的応用を行つている点にある. 股関節治療における切り札的存在として, 人工関節の地位は確立したかにみえるが, 耐用年数, 摩耗粉の人体に対する障害, 感染股に対する応用など, 今後さらに研究されねばならない点も多い. 我々はチヤン...

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Published in医療 Vol. 32; no. 4; pp. 457 - 463
Main Authors 新名, 正由, 津布久, 雅男, 野町, 昭三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1978
医療同好会
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Summary:国立村山病院整形外科において, 1976年末までに施行された人工関節置換術は, 55症例66関節になる. 疾患分類では変形性股関節症, 慢性関節リウマチ, 大腿骨頸部骨折, 大腿骨頭壊死, 強直性脊椎炎および股関節結核と多種に分布する. とりわけ本院の特徴は, 高度の身障リウマチ, 強直性脊椎炎の経験が多いことであり, さらに陳旧性股結核や頸部内側骨折などに対する積極的応用を行つている点にある. 股関節治療における切り札的存在として, 人工関節の地位は確立したかにみえるが, 耐用年数, 摩耗粉の人体に対する障害, 感染股に対する応用など, 今後さらに研究されねばならない点も多い. 我々はチヤンレイ型人工関節を原法に出来るだけ忠実に行いつつ, 重度身障者に対する唯一の救済処置として, 適応を拡大しつつ, 経験を重ねているので, ここに我々の経験を報告し, 大方の参考に供した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.32.457