脳血管障害急性期における人工炭酸泉浴の脳血流量に及ぼす影響
脳血管障害後の長期臥床または過度の安静は, 種々の二次的障害を惹起し, 廃用症候群としてリハビリテーションの阻害因子となる1,2). これらを予防する目的で, 早期からのリハビリテーション開始の必要性が提唱され, 実践されている. しかし, 脳血管障害急性期は脳循環の自動調節能が障害されており, 脳血流(Cerebral blood flow, CBF)は血圧依存性となる3-5). このため, 発症早期におけるリハビリテーションには, 血圧の急激な下降により脳虚血病態の増悪をきたす危険性が考えられ, 急性期リハビリテーション開始の困難さも指摘されている3). 私たちは, 脳血管障害症例への急性...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 63; no. 4; pp. 193 - 197 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2000
日本温泉気候物理医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.63.193 |
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Summary: | 脳血管障害後の長期臥床または過度の安静は, 種々の二次的障害を惹起し, 廃用症候群としてリハビリテーションの阻害因子となる1,2). これらを予防する目的で, 早期からのリハビリテーション開始の必要性が提唱され, 実践されている. しかし, 脳血管障害急性期は脳循環の自動調節能が障害されており, 脳血流(Cerebral blood flow, CBF)は血圧依存性となる3-5). このため, 発症早期におけるリハビリテーションには, 血圧の急激な下降により脳虚血病態の増悪をきたす危険性が考えられ, 急性期リハビリテーション開始の困難さも指摘されている3). 私たちは, 脳血管障害症例への急性期リハビリテーションに人工炭酸泉浴による入浴を取り入れ, その影響をCBFの面から検討した. 方法 1997年12月から1999年5月までに, 当院救命救急センターに脳血管障害で入院した患者のうち, 急性期リハビリテーションに人工炭酸泉浴による7日間の入浴を取り入れることが可能であった6例を検討の対象とした. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.63.193 |