肺野末梢部進行癌の TBLB について : 癌性リンパ管症における末梢肺間質内および中枢側気管支粘膜下リンパ管侵襲(気管支鏡所見の実際)(第 7 回日本気管支学会総会特集)

肺の癌性リンパ管症23症例を対象に, TBLB, 気管支生検・剖検材料を用いて, 肺野末梢と中枢側気管支粘膜下のリンパ管侵襲について, 対比検討を行なった。本症の診断は末梢肺間質内リンパ管への広汎な癌侵襲によって確定されるが, 気管支粘膜下リンパ管への癌侵襲も同時に認められた。TBLBと比べ非侵襲的な気管支生検でも, 左右気管支より複数検体を採取すれば, TBLBにほぼ匹敵する率でリンパ管病変を検出しうる。以上の成績は, 気管支粘膜下リンパ系は, 血管周囲・気管支周囲・小葉間間質のリンパ系と密な関連を有し, 気管支周囲リンパ系の側副路として機能していることを示唆する。...

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Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 6; no. 4; pp. 506 - 511
Main Authors 檀原, 高, 松岡, 緑郎, 渡辺, 秀一, 荒井, 達夫, 吉良, 枝郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1984
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Summary:肺の癌性リンパ管症23症例を対象に, TBLB, 気管支生検・剖検材料を用いて, 肺野末梢と中枢側気管支粘膜下のリンパ管侵襲について, 対比検討を行なった。本症の診断は末梢肺間質内リンパ管への広汎な癌侵襲によって確定されるが, 気管支粘膜下リンパ管への癌侵襲も同時に認められた。TBLBと比べ非侵襲的な気管支生検でも, 左右気管支より複数検体を採取すれば, TBLBにほぼ匹敵する率でリンパ管病変を検出しうる。以上の成績は, 気管支粘膜下リンパ系は, 血管周囲・気管支周囲・小葉間間質のリンパ系と密な関連を有し, 気管支周囲リンパ系の側副路として機能していることを示唆する。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.6.4_506