原発性アミロイドージスの1例

アミロイドージスは我が国では欧米に比べて比較的まれな疾患とされていたが, 診断技術の向上により次第に増加の傾向を示している. 1) 原発性アミロイドージスは1856年Wildによつて報告された. アミロイドージスの成因に関しては蛋白代謝障害, 抗原抗体反応の異常, 形質細胞過形成あるいは骨髄腫の一亜型などが考えられていたが, 2) 近年は網内系機能の障害により, 網引系細胞がアミロイド物質を産生するという説が多くの支持を得ているようである. 我々は1例の原発性アミロイドージスを経験したのでここに報告し, 併せて文献的考察を加える. 「症例」患者:仲○政○ 61才 ♂ 事務員 家族歴:特記すべき...

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Published in医療 Vol. 28; no. 3; pp. 239 - 242
Main Authors 吉田, 喬, 鈴木, 隆元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1974
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.28.239

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Summary:アミロイドージスは我が国では欧米に比べて比較的まれな疾患とされていたが, 診断技術の向上により次第に増加の傾向を示している. 1) 原発性アミロイドージスは1856年Wildによつて報告された. アミロイドージスの成因に関しては蛋白代謝障害, 抗原抗体反応の異常, 形質細胞過形成あるいは骨髄腫の一亜型などが考えられていたが, 2) 近年は網内系機能の障害により, 網引系細胞がアミロイド物質を産生するという説が多くの支持を得ているようである. 我々は1例の原発性アミロイドージスを経験したのでここに報告し, 併せて文献的考察を加える. 「症例」患者:仲○政○ 61才 ♂ 事務員 家族歴:特記すべきことなし. 既往歴:昭和30年虫垂炎手術, 嗜好品, アルコール(日本酒)20才ころより毎日5合, 煙草1日20本. 主訴:全身倦怠感, 体重減少. 現病歴:昭和46年7月初旬, 全身倦怠感が出現, 某病院を受診し検査の結果肝臓と腎臓の障害を指摘され7月20日入院した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.28.239