膀胱移行上皮癌にHER2阻害剤とCCR4阻害剤を用いて良好な経過が得られた犬の1例

膀胱三角部に発生した犬の移行上皮癌にヒト上皮増殖因子2(HER2)阻害剤である分子標的薬のラパチニブを使用したところ169日間の安定が得られた。200日目に増大傾向が認められた際に,ラパチニブに加えて制御性T細胞浸潤阻害薬(CCR4阻害剤)である抗ヒトモノクローナル抗体のモガムリズマブを投与したところ腫瘍が縮小し,部分寛解が得られ334日の生存が可能であった。両薬剤同時投与による副作用はVCOG-CTCAEでの食欲不振がグレード1のみであり,対処可能範囲であり,投与中の状態は非常に良好であった。...

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Published in動物臨床医学 Vol. 31; no. 2; pp. 67 - 70
Main Author 山本, 充哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.06.2022
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ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.31.67

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Summary:膀胱三角部に発生した犬の移行上皮癌にヒト上皮増殖因子2(HER2)阻害剤である分子標的薬のラパチニブを使用したところ169日間の安定が得られた。200日目に増大傾向が認められた際に,ラパチニブに加えて制御性T細胞浸潤阻害薬(CCR4阻害剤)である抗ヒトモノクローナル抗体のモガムリズマブを投与したところ腫瘍が縮小し,部分寛解が得られ334日の生存が可能であった。両薬剤同時投与による副作用はVCOG-CTCAEでの食欲不振がグレード1のみであり,対処可能範囲であり,投与中の状態は非常に良好であった。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.31.67