早期胃癌30例の総括

早期胃癌は深達度が粘膜下層smまでにとどまる癌で, 病巣の大きさ, リンパ節転移の有無は問わないことになつている. 胃癌の分類といえば古くからBorrmannの分類が常用されているが, 早期胃癌に関しては, このいずれの型にも分類できないのが実状である. しかし本邦においては昭和37年早期胃癌の肉眼的分類, すなわち, 隆起型I型, 表面型II型(表面隆起型IIa型, 表面平坦型IIb型, 表面陥凹型IIc型), 陥凹型III型の発表以来広く全国で用いられるようになつた. さらに同年胃癌取扱い規約案が発表されてからは, 胃癌に関しては, 診断から遠隔成績まで同一基盤に立つて検討し得る段階になつ...

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Published in医療 Vol. 25; no. 3; pp. 178 - 180
Main Authors 疋田, 達雄, 伊藤, 綏, 藤田, 順一, 内海, 邦輔, 喜多島, 豊三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1971
医療同好会
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Summary:早期胃癌は深達度が粘膜下層smまでにとどまる癌で, 病巣の大きさ, リンパ節転移の有無は問わないことになつている. 胃癌の分類といえば古くからBorrmannの分類が常用されているが, 早期胃癌に関しては, このいずれの型にも分類できないのが実状である. しかし本邦においては昭和37年早期胃癌の肉眼的分類, すなわち, 隆起型I型, 表面型II型(表面隆起型IIa型, 表面平坦型IIb型, 表面陥凹型IIc型), 陥凹型III型の発表以来広く全国で用いられるようになつた. さらに同年胃癌取扱い規約案が発表されてからは, 胃癌に関しては, 診断から遠隔成績まで同一基盤に立つて検討し得る段階になつた. われわれは昭和37年1月より昭和43年12月までの7年間に早期胃癌33例を経験している. これら症例のうち昭和37年度に2例, 昭和43年度に1例合計3例は緊急手術後発見されたため術前検査が不充分なので除外し, 今回は残りの30例について種々検討した結果を報告する. 「成績」年度別症例数:表1のごとくで, 早期胃癌の出現頻度は胃癌切除総数254例の11.8%に当り, その他の胃切除を含めた胃切除総数799例の3.8%に当る.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.25.178