経気管支肺生検施行時の気道出血の対策 : バルーンカテーテルおよびトロンビン溶液の使用について

経気管支肺生検(TBLB)施行時の気道出血は, 本検査の合併症として注目され, 時に多量の出血が発生しうる。192例のTBLB中12例(6.3%)に中等量の出血を認めた。このうち7例においてバルーンカテーテルを気管支を閉塞するために楔入するとともに, トロンビン溶液を注入し止血することができた。生検組織の病理組織学的検討では, 径500μの気管支動脈, 径1, 000μの肺動脈が検体に含まれていた。気道出血の対策として種々の方法が提案されているが, バルーンカテーテルによる気道の閉塞, およびトロンビン溶液の気道内注入の併用による止血法は, 大量気道出血の危険性を小さくするうえで有用であると考...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 8; no. 1; pp. 41 - 45
Main Authors 岩瀬, 彰彦, 内田, 和仁, 斉木, 茂樹, 千治松, 洋一, 美谷島, 季彦, 谷井, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1986
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.8.1_41

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Summary:経気管支肺生検(TBLB)施行時の気道出血は, 本検査の合併症として注目され, 時に多量の出血が発生しうる。192例のTBLB中12例(6.3%)に中等量の出血を認めた。このうち7例においてバルーンカテーテルを気管支を閉塞するために楔入するとともに, トロンビン溶液を注入し止血することができた。生検組織の病理組織学的検討では, 径500μの気管支動脈, 径1, 000μの肺動脈が検体に含まれていた。気道出血の対策として種々の方法が提案されているが, バルーンカテーテルによる気道の閉塞, およびトロンビン溶液の気道内注入の併用による止血法は, 大量気道出血の危険性を小さくするうえで有用であると考える。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.8.1_41