腸間膜線維腫の1例

「要旨」腸間膜に原発する腫瘍は比較的まれな疾患である. 特に実質性腸間膜腫瘍は自覚症状に乏しく, 腫瘤が増大してきてはじめて発見されることが多い. 従ってその報告例は少ない. 著者らは80才, 男性の小腸間膜に原発した重さ520gの線維腫の1例を経験し, これを摘出しえたので報告するとともに, 併せて若干の文献的考察を加えた. 腸間膜に原発する腫瘍は比較的まれな疾患であり, 殊に腸間膜線維腫の報告例は非常に少ない. 我々は最近その1例を経験し, これを摘出しえたので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者 安○計○, 79才, 男性 主訴 腹部腫瘤 現病歴 昭和50年7月高血圧にて...

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Published in医療 Vol. 31; no. 8; pp. 848 - 851
Main Authors 村上, 勝, 宇都宮, 利善, 小田, 桐重遠, 大西, 英胤, 北洞, 哲治, 植村, 剛, 呂, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1977
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.31.848

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Summary:「要旨」腸間膜に原発する腫瘍は比較的まれな疾患である. 特に実質性腸間膜腫瘍は自覚症状に乏しく, 腫瘤が増大してきてはじめて発見されることが多い. 従ってその報告例は少ない. 著者らは80才, 男性の小腸間膜に原発した重さ520gの線維腫の1例を経験し, これを摘出しえたので報告するとともに, 併せて若干の文献的考察を加えた. 腸間膜に原発する腫瘍は比較的まれな疾患であり, 殊に腸間膜線維腫の報告例は非常に少ない. 我々は最近その1例を経験し, これを摘出しえたので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者 安○計○, 79才, 男性 主訴 腹部腫瘤 現病歴 昭和50年7月高血圧にて某医を受診して, たまたま腹部踵瘤を指摘された. 特に痛みもなく放置していたところ, 腫瘤が少しずつ大きくなってきたので, 精査をすすめられて9月9日本院内科へ入院した. 諸検査の後手術の目的で10月20日外科へ転科した. 既往歴 23才の時肋膜炎に罹患, 78才の時虫垂切除術を受けている. また69才のころより高血圧にて降圧剤を服用している.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.31.848