膵の術中針生検例の検討―乳腺の針生検と比較して

乳腺の針生検により得られた結果をもとにして, Aspirationによる膵の術中生検の検討を行つた. 得られた結果は次のようである. 1)針先が腫瘍の中心に達するように, 十分なMobilizationを行うこと. 2)慢性膵炎を合併した場合, 生検する場所が問題になるが, 何カ所も深く穿刺するとよい. 3)Incisional biopsyでは出血, 膵液瘻が多いが, 本法にはほとんど副作用は見られなかつた. 4)乳癌ではScirrhous typeに偽陰性が多かつたが, 膵癌では組織型による適中率の差はまだ結論を出すには至つていない. 5)膵病変の良悪性を診断するだけなら, Incisio...

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Published in医療 Vol. 34; no. 8; pp. 731 - 735
Main Authors 森田, 弘之, 津田, 宏信, 高松, 脩, 浅井, 伴衛, 中田, 理, 道場, 昭太郎, 木下, 睦之, 加藤, 寛幸, 小山, 信, 渡辺, 駅七郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1980
医療同好会
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Summary:乳腺の針生検により得られた結果をもとにして, Aspirationによる膵の術中生検の検討を行つた. 得られた結果は次のようである. 1)針先が腫瘍の中心に達するように, 十分なMobilizationを行うこと. 2)慢性膵炎を合併した場合, 生検する場所が問題になるが, 何カ所も深く穿刺するとよい. 3)Incisional biopsyでは出血, 膵液瘻が多いが, 本法にはほとんど副作用は見られなかつた. 4)乳癌ではScirrhous typeに偽陰性が多かつたが, 膵癌では組織型による適中率の差はまだ結論を出すには至つていない. 5)膵病変の良悪性を診断するだけなら, Incisional biopsyよりAspiration biopsyの方がすぐれている. 6)診断率は乳腺病変では88%(43/49), 膵では82%(14/17)であつた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.34.731