経口投与を目的としたポリグリコール酸ゲルの調製とその薬物放出挙動

経口投与向けの薬物担体としての利用を目的として,架橋剤に多分岐型のポリエチレングリコール(PEG),連結剤にピロメリット酸二無水物を用いて,開環付加反応とエステル交換反応によって,ポリグリコール酸(PGA)からゲルを調製した.PGA鎖がゲルの架橋点間外に多く存在するアウターリッチタイプおよび架橋点間内に多く存在するインナーリッチタイプの二種類,使用したPEGが四分岐型のものと三分岐型のものの二種類,そしてPGAの導入率が45,60,75 wt%の三種類から成るゲルを調製した.各調製条件で得られたPGAゲルについて,脱イオン水中およびpH 7.4のリン酸緩衝液中で膨潤試験と加水分解試験を実施した...

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Published inKōbunshi ronbunshū (Tokyo) Vol. 75; no. 2; pp. 203 - 211
Main Authors 鈴木, 義紀, 刈込, 道徳, 木村, 隆夫, 高橋, 将輝, 畑口, 健太, 小林, 史典, 矢森, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益社団法人 高分子学会 01.01.2018
Japan Science and Technology Agency
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2017-0061

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Summary:経口投与向けの薬物担体としての利用を目的として,架橋剤に多分岐型のポリエチレングリコール(PEG),連結剤にピロメリット酸二無水物を用いて,開環付加反応とエステル交換反応によって,ポリグリコール酸(PGA)からゲルを調製した.PGA鎖がゲルの架橋点間外に多く存在するアウターリッチタイプおよび架橋点間内に多く存在するインナーリッチタイプの二種類,使用したPEGが四分岐型のものと三分岐型のものの二種類,そしてPGAの導入率が45,60,75 wt%の三種類から成るゲルを調製した.各調製条件で得られたPGAゲルについて,脱イオン水中およびpH 7.4のリン酸緩衝液中で膨潤試験と加水分解試験を実施した.また,調製したPGAゲルに塩基性染料のメチレンブルーおよび酸性染料のアシッドブラックをダミー薬物として内包させ,ヒトの消化器官を意識した模擬胃液中および模擬小腸液中で放出挙動を評価した.pH応答性と易加水分解性を示すPGAゲルは,経口投与向けの薬物担体として有効であることがわかった.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2017-0061