炎症性狭窄に対する気管・気管支形成術 : その適応と問題点(気管・気管支形成術の問題点)
教室で過去10年間に経験した12例の炎症性狭窄例中, 気管・気管支形成術施行例, 非施行例を検討した。狭窄の原因は非結核性(5例)と結核性(7例)であった。前者は気管切開後狭窄の2例(ともに気管管状切除施行)および気管・気管支形成術後の肉芽狭窄の3例(2例は内視鏡的治療, 1例は気管支再形成術施行)で, いずれも医原性といえ, この種の炎症性狭窄は今後増加すると考える。結核性狭窄はすべて気管支狭窄であった。右上幹閉塞の4例中1例は, 病変が主幹に及んでおり, 上葉切除と主幹の管状切除を必要とした。左主幹狭窄の3例中の1例は, 閉塞による左肺の二次変化のため肺剔除を要した。他の2例は手術待期中で...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 5; no. 4; pp. 417 - 424 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1983
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.5.4_417 |
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Summary: | 教室で過去10年間に経験した12例の炎症性狭窄例中, 気管・気管支形成術施行例, 非施行例を検討した。狭窄の原因は非結核性(5例)と結核性(7例)であった。前者は気管切開後狭窄の2例(ともに気管管状切除施行)および気管・気管支形成術後の肉芽狭窄の3例(2例は内視鏡的治療, 1例は気管支再形成術施行)で, いずれも医原性といえ, この種の炎症性狭窄は今後増加すると考える。結核性狭窄はすべて気管支狭窄であった。右上幹閉塞の4例中1例は, 病変が主幹に及んでおり, 上葉切除と主幹の管状切除を必要とした。左主幹狭窄の3例中の1例は, 閉塞による左肺の二次変化のため肺剔除を要した。他の2例は手術待期中である。これらの経験から, 結核性気管支炎に続発する狭窄は, 充分な抗結核療法を行なう一方で, 気管支鏡による定期的観察, 狭窄部周辺の気管支生検による追跡を行ない, 狭窄部末梢に二次的変化の生じる前に肺機能温存を目的とした形成術を行なうべきである。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.5.4_417 |