気管病変を認めた続発性アミロイドーシスの 1 例

症例は76歳男で, 嗄声・鼻閉感を主訴に耳鼻料に受診。咽頭, 喉頭に腫瘤を認め, 摘出し, アミロイドーシスの診断であった。その際, 胸部X線写真で異常陰影を認めたため, 当科を紹介された。胸部断層写真では気管内腔に多数の腫瘤陰影を認め, 気管支鏡検査では気管に多数のポリープ状腫瘤および結節状腫瘤がみられた。生検では, 気管粘膜下にアミロイド物質の沈着を認めた。また本症例はBorrmann I型の胃癌を有していたことから, 続発性のアミロイドーシスと診断した。気管・気管支に発生したアミロイドーシスは本邦ではわずか5例の報告があるのみで, いずれも原発性アミロイドーシス症例である。症例のごとく続...

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Published in気管支学 Vol. 7; no. 2; pp. 222 - 227
Main Authors 永井, 達夫, 常田, 育宏, 板橋, 孝一, 牧村, 士郎, 阿部, 庄作, 長谷川, 淳, 川上, 義和, 浅香, 正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1985
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Summary:症例は76歳男で, 嗄声・鼻閉感を主訴に耳鼻料に受診。咽頭, 喉頭に腫瘤を認め, 摘出し, アミロイドーシスの診断であった。その際, 胸部X線写真で異常陰影を認めたため, 当科を紹介された。胸部断層写真では気管内腔に多数の腫瘤陰影を認め, 気管支鏡検査では気管に多数のポリープ状腫瘤および結節状腫瘤がみられた。生検では, 気管粘膜下にアミロイド物質の沈着を認めた。また本症例はBorrmann I型の胃癌を有していたことから, 続発性のアミロイドーシスと診断した。気管・気管支に発生したアミロイドーシスは本邦ではわずか5例の報告があるのみで, いずれも原発性アミロイドーシス症例である。症例のごとく続発性アミロイドーシスで, 中枢気道に病変を認めることは極めて稀であるので報告した。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.7.2_222