人工声帯をもちいた実験的声帯外転障害-多系統萎縮症における非侵襲的陽圧換気療法の圧設定

声帯外転障害を呈した多系統萎縮症患者における非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の安全な導入について検討するため,人工声帯をもちいた上気道モデルを作製した.特徴的な声帯奇異性運動は,非麻痺性要素を持たない人工声帯においても再現することができ,とくに声帯がほぼ正中位にある高度狭窄モデルにおいては,奇異性運動を解除するためには,expiratory positive airway pressure(EPAP)をある一定圧(閾値)以上に設定する必要があった.このことから,麻痺性要素を主因とする声帯外転障害に対してNPPVを導入するばあいには,EPAPを主導とした設定方法が有効と思われる....

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Published in臨床神経学 Vol. 49; no. 7; pp. 407 - 413
Main Authors 西沢, 美里, 磯崎, 英治, 飛澤, 晋介, 中山, 英人, 高西, 淳夫, 福井, 孝太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2009
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.49.407

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Summary:声帯外転障害を呈した多系統萎縮症患者における非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の安全な導入について検討するため,人工声帯をもちいた上気道モデルを作製した.特徴的な声帯奇異性運動は,非麻痺性要素を持たない人工声帯においても再現することができ,とくに声帯がほぼ正中位にある高度狭窄モデルにおいては,奇異性運動を解除するためには,expiratory positive airway pressure(EPAP)をある一定圧(閾値)以上に設定する必要があった.このことから,麻痺性要素を主因とする声帯外転障害に対してNPPVを導入するばあいには,EPAPを主導とした設定方法が有効と思われる.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.49.407