保養からみた快適性ならびに安全性に関する気象因子の時間衛生学的検討

温泉はわが国における代表的な保養行動である. 温泉のみならず保養の質には, 保養行動が行われる環境が大きく影響することは論をまたない. 本研究では, この保養環境を快適性と安全性の両面から検討した. 前者は保養における効果の向上, 一方後者は保養における危険回避の面から重要であり, さまざまな環境要因が考えられる. 今回は環境要因として気象, なかでも特にこの両面に関係する気温を取り上げて検討した. また, 快適性と安全性が人側にもたらす結果とし保養と関連する中核的な生体機能としての神経, 循環系を取り上げた. II対象と方法 1. 不快指数と心拍変動からみた自律神経系活動を示唆する指標の反応...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 66; no. 4; pp. 205 - 213
Main Authors 王, 紅兵, 鏡森, 定信, 関根, 道和, 堀井, 雅恵, ナセルモアッデリ, アリ, 大村, 栄, 金山, ひとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2003
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.66.205

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Summary:温泉はわが国における代表的な保養行動である. 温泉のみならず保養の質には, 保養行動が行われる環境が大きく影響することは論をまたない. 本研究では, この保養環境を快適性と安全性の両面から検討した. 前者は保養における効果の向上, 一方後者は保養における危険回避の面から重要であり, さまざまな環境要因が考えられる. 今回は環境要因として気象, なかでも特にこの両面に関係する気温を取り上げて検討した. また, 快適性と安全性が人側にもたらす結果とし保養と関連する中核的な生体機能としての神経, 循環系を取り上げた. II対象と方法 1. 不快指数と心拍変動からみた自律神経系活動を示唆する指標の反応 軽作業に従事する6名の男子(25-30歳)にホルター心電計とともに温湿度計を携帯してもらい24時間連続記録を行った. この連続記録からアメリカ気象局の方法により気温と相対湿度から不快指数1,2)を, また心拍変動のスペクトル解析(Lomb法)3)でR-R間隔の低周波(LF;0.05-0.15Hz)領域ならびに高周波(HF;0.15-0.30Hz)領域のスペクトル密度の積分値である各成分および両者の比(LHR)をそれぞれ5分間隔で算出した.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.66.205