肺拡散能力測定の臨床経験

肺拡散能力測定についてはすでに多くの研究発表があり, わが国でも現在ではForsterのSingle breath法による肺拡散能力測定(以下「DLco」と略す)が一般化している. しかしその評価についてはまだ多くの検討しなければならない問題を含んでいる. 私たちは各種胸部疾患301例に対して357回のDLco測定を昭和44年10月より46年3月までに行なったのでその成績について述べ, 臨床的意義について検討する. 「検査方法および対象」DLco測定はForsterのSingle breath法によって安静時坐位で各例について3回行ない, その平均値を成績とした. 換気諸量, 残気量, 時間肺...

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Published in医療 Vol. 27; no. 5; pp. 400 - 405
Main Authors 井槌, 六郎, 松田, 美彦, 飯尾, 正明, 永井, 英司, 浜野, 三吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1973
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.27.400

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Summary:肺拡散能力測定についてはすでに多くの研究発表があり, わが国でも現在ではForsterのSingle breath法による肺拡散能力測定(以下「DLco」と略す)が一般化している. しかしその評価についてはまだ多くの検討しなければならない問題を含んでいる. 私たちは各種胸部疾患301例に対して357回のDLco測定を昭和44年10月より46年3月までに行なったのでその成績について述べ, 臨床的意義について検討する. 「検査方法および対象」DLco測定はForsterのSingle breath法によって安静時坐位で各例について3回行ない, その平均値を成績とした. 換気諸量, 残気量, 時間肺活量などの測定にはGodart社製PulmotestおよびPulmoanalyserを用いて行なった. また30例について133Xeを用いて部分肺機能検査を行ないDLcoの成績と比較した. 検査対象は肺結核205例, 肺がん32例を主とし, その他各種胸部疾患を含んでいる. 成績の判定についてはOgilvieおよびBurrowの標準式を用いて%DLcoを出して参考にするとともに, 20ml/min/mmHg以上を正常値, 20~15Ml/min/mmHgを軽度低下値, 15ml/min/mmHg以下をDLco低下値として評価した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.27.400