水浴温度と血小板グルタチオン代謝

水浴温度の血小板グルタチオン代謝に与える影響を水温を25℃, 36℃, 42℃と変化させた水浸法にて検討した.その結果, 25℃, 42℃において過酸化脂質 (LPO) 値の上昇が認められ, この温度では血小板に何らかの活性酸素種による酸化的ストレスが働いていることが示唆された. 36℃でもLPO値は上昇したが一過性であった. 25℃と42℃では酸化的ストレスが働いたため, 抗酸化防御機構の一種であるグルタチオン (GSH) とその関連酵素のグルタチオン過酸化酵素 (GPX) , グルタチオン還元酵素 (GR) の誘導が認められた.このような温熱あるいは寒冷刺激が繰り返されることにより, 過酸...

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Published in日本生気象学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 47 - 51
Main Authors 大塚, 吉則, 薮中, 宗之, 野呂, 浩史, 渡部, 一郎, 阿岸, 祐幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生気象学会 1995
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Summary:水浴温度の血小板グルタチオン代謝に与える影響を水温を25℃, 36℃, 42℃と変化させた水浸法にて検討した.その結果, 25℃, 42℃において過酸化脂質 (LPO) 値の上昇が認められ, この温度では血小板に何らかの活性酸素種による酸化的ストレスが働いていることが示唆された. 36℃でもLPO値は上昇したが一過性であった. 25℃と42℃では酸化的ストレスが働いたため, 抗酸化防御機構の一種であるグルタチオン (GSH) とその関連酵素のグルタチオン過酸化酵素 (GPX) , グルタチオン還元酵素 (GR) の誘導が認められた.このような温熱あるいは寒冷刺激が繰り返されることにより, 過酸化物が血小板内に蓄積して凝集能を亢進させる可能性が考えられた.
ISSN:0389-1313
1347-7617
DOI:10.11227/seikisho1966.32.47