立体映像の視差角を等分する中間画像の挿入による融像限界の変化

「1. 緒言」近年の3D技術の普及発展には目を見張るものがあるが, 映画やTVの分野での3D立体映像(以後, 立体映像)市場は, 低迷している感があるのは否めない. 普及の障害となっている要因の一つには, 立体映像の観視にともなう, めまいや頭痛, 眼精疲労など身体への影響の原因が明確になっていないことが考えられるが, これら視覚愁訴の原因については, 立体映像観視時には, 水晶体調節(ピント)の焦点と, 輻輳(両眼の視軸の交点)の焦点が異なるとする調節輻輳矛盾説が一般的であった. しかし, 共同研究者らの先行研究により, 若年層においては, 調節と輻輳の不一致は生じていないことが示されている...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 72; no. 1; pp. 87 - 92
Main Authors 杉浦, 明弘, 宮尾, 克, 釆女, 智津江, 小嶌, 健仁, 森田, 一三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2017
日本衛生学会
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.72.87

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Summary:「1. 緒言」近年の3D技術の普及発展には目を見張るものがあるが, 映画やTVの分野での3D立体映像(以後, 立体映像)市場は, 低迷している感があるのは否めない. 普及の障害となっている要因の一つには, 立体映像の観視にともなう, めまいや頭痛, 眼精疲労など身体への影響の原因が明確になっていないことが考えられるが, これら視覚愁訴の原因については, 立体映像観視時には, 水晶体調節(ピント)の焦点と, 輻輳(両眼の視軸の交点)の焦点が異なるとする調節輻輳矛盾説が一般的であった. しかし, 共同研究者らの先行研究により, 若年層においては, 調節と輻輳の不一致は生じていないことが示されている. また, MacKenzieらは, 2枚のディスプレイにそれぞれ異なるコントラスト勾配を持った画像を表示することで, 両者の間の空間に調節と輻輳の乖離が少ない立体映像を知覚させることが可能と述べている.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.72.87