老人外科(70才以上)における合併症の検討とその予防対策

近年人口の老令化傾向に伴つて, 一時代前までは外科的治療の対象と考えなかつたような老人患者に手術を行う機会が増加しましたが, 一般の青壮年患者の外科に比較して合併症あるいは死亡率がまだ高いことは否めない事実です. 老人外科として取り上げるべき年令を何才をもつて区切るかについては, 加令の起こり方あるいは合併症の発生状況などから最近では多くの研究1)~4)が70才以上をもつて老人外科としているようなので, 本研究もこれに従いました. 「対象」国立療養所東京病院における外科手術のうち, 気管内麻酔を要したものは, 昭和43年7月から昭和48年6月までの5年間に, 1,651回ですが, そのうち70...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 28; no. 9; pp. 753 - 759
Main Authors 横田, 強, 石原, 尚, 古賀, 良平, 吉村, 輝仁永, 萩原, 隆, 牧野, 郁, 小野, 勝, 三田村, 益男, 村上, 国男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1974
医療同好会
Online AccessGet full text
ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.28.753

Cover

More Information
Summary:近年人口の老令化傾向に伴つて, 一時代前までは外科的治療の対象と考えなかつたような老人患者に手術を行う機会が増加しましたが, 一般の青壮年患者の外科に比較して合併症あるいは死亡率がまだ高いことは否めない事実です. 老人外科として取り上げるべき年令を何才をもつて区切るかについては, 加令の起こり方あるいは合併症の発生状況などから最近では多くの研究1)~4)が70才以上をもつて老人外科としているようなので, 本研究もこれに従いました. 「対象」国立療養所東京病院における外科手術のうち, 気管内麻酔を要したものは, 昭和43年7月から昭和48年6月までの5年間に, 1,651回ですが, そのうち70才以上の老人に対しては28例に31回(1.88%)の手術を行いましたが(表1), 性別では男15例(17回), 女13例(14回), 年令別では70~74才が3分の2を占め高令者程少なく, 最高年令は87才でした.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.28.753