糖尿病におけるリポ蛋白中のコレステロール分画・トリグリセライド分画比と変性LDLの相関性

糖尿病においてコレステロール分画とトリグリセライド分画の同時解析法を用いて脂質分画の詳細と変性LDLを荷電変性度数 (CMF) として測定し, 変性LDL陰性例と陽性例にわけて比較した. 空腹時血糖・ヘモグロビンA1c値では差を認めなかったが, 高脂血症表現型, IDLの出現, 各項目の平均値, HDL分画・LDL分画の組成比に差を認めた. 高脂血症表現型では対照群・DM-CMF(-)・DM-CMF(+)の順にIIa型が減少し, IIb型・IV型が増加した. HDL分画・LDL分画では対照群・DM-CMF(-)・DM-CMF(+)の順に Chol の減少, TGの増加が認められた. 糖尿病性合...

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Published in生物物理化学 Vol. 46; no. 3; pp. 129 - 134
Main Authors 大井, 絹枝, 住田, 安弘, 中谷, 中, 登, 勉, 櫻井, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 2002
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.46.129

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Summary:糖尿病においてコレステロール分画とトリグリセライド分画の同時解析法を用いて脂質分画の詳細と変性LDLを荷電変性度数 (CMF) として測定し, 変性LDL陰性例と陽性例にわけて比較した. 空腹時血糖・ヘモグロビンA1c値では差を認めなかったが, 高脂血症表現型, IDLの出現, 各項目の平均値, HDL分画・LDL分画の組成比に差を認めた. 高脂血症表現型では対照群・DM-CMF(-)・DM-CMF(+)の順にIIa型が減少し, IIb型・IV型が増加した. HDL分画・LDL分画では対照群・DM-CMF(-)・DM-CMF(+)の順に Chol の減少, TGの増加が認められた. 糖尿病性合併症の有無で比較すると, 腎症では病期の進行に伴って変性LDLの出現率が増加し, CMFも上昇した. 糖尿病患者において脂質分画と変性LDLを測定することは, 高脂血症・腎症のモニターとして臨床的に有用と考えられた.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.46.129