週1回血液透析導入法の検討

血液透析導入時の心理的負担の軽減と残存腎機能を保持させる目的で, 週1回導入法を検討した。尿量が保たれている透析導入期慢性腎不全患者13人において, 栄養指導を行い透析条件として透析時間は5時間/回, 血液.流量は200mymin以上を確保した。ダイアライザーは体格に合わせ可能な限り大型化した。週1回血液透析を続ける基準を, 透析前血清尿素窒素 (UN) 値100mg/dl以下, 血清クレアチニン (Cre) 値13.0mg/dl以下, 週体重増加量3.0kg以下とした。導入時の尿量は1,370±160ml/日, クレアチニンクリアランス (Ccr) は4.7±0.4myminであった。週1回...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 68 - 73
Main Authors 倉持, 元, 長谷川, 伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2002
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.51.68

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Summary:血液透析導入時の心理的負担の軽減と残存腎機能を保持させる目的で, 週1回導入法を検討した。尿量が保たれている透析導入期慢性腎不全患者13人において, 栄養指導を行い透析条件として透析時間は5時間/回, 血液.流量は200mymin以上を確保した。ダイアライザーは体格に合わせ可能な限り大型化した。週1回血液透析を続ける基準を, 透析前血清尿素窒素 (UN) 値100mg/dl以下, 血清クレアチニン (Cre) 値13.0mg/dl以下, 週体重増加量3.0kg以下とした。導入時の尿量は1,370±160ml/日, クレアチニンクリアランス (Ccr) は4.7±0.4myminであった。週1回透析の継続期間は25±5週であった。また継続期間と導入時の尿量, Ccr, 血清UN, Cre, ヘマトクリット, 動脈血pH, HCO、-各値との問には相関関係は認められなかった。週1回透析終了理由は, 7人が体重増加, 3人が溶質量増加, 3人が両者によるものであった。月平均療養費用は週3回透析の55.1%であった。週1回透析で導入できる条件としては, 1) 浮腫が強くなく, 尿量の確保ができていること, 2) 血清UNおよびCreが極端に高値でないこと, 3) 食事管理ができていること, 4) 十分なシャント血流量が確保できていることがあげられる。週1回導入法は, 導入に対する患者の心理的負担の軽減および残存腎機能の保持に有効であり, 加えて医療費の抑制にも効果的であることから, 条件をみたせば血液透析導入法の1つとして考慮すべき方法と考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.51.68