泉質別にみた温泉の効果
「緒言」近年, 温泉療法の効果についての関心が高まっている. 温泉の効果は, 温泉そのものの物理化学的要因のみならず, 温泉地の環境そして非日常的な行動などさまざまな要因によって複合的にもたらされるものであることは論をまたない. とはいうものの温泉そのものがその核となる特異の要因である. 本レビューでは, 温泉そのものの特異性を示すその含有化学成分の視点から健康作用に関する最近の知見を整理した. 「方法」温泉療法に関する文献の検索を行なった期間は1966~2005年で, 情報源はMedlineとCochrane libraryであった. BalneotherapyとSpa therapyを検索...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 69; no. 4; pp. 223 - 233 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2006
日本温泉気候物理医学会 |
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.69.223 |
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Summary: | 「緒言」近年, 温泉療法の効果についての関心が高まっている. 温泉の効果は, 温泉そのものの物理化学的要因のみならず, 温泉地の環境そして非日常的な行動などさまざまな要因によって複合的にもたらされるものであることは論をまたない. とはいうものの温泉そのものがその核となる特異の要因である. 本レビューでは, 温泉そのものの特異性を示すその含有化学成分の視点から健康作用に関する最近の知見を整理した. 「方法」温泉療法に関する文献の検索を行なった期間は1966~2005年で, 情報源はMedlineとCochrane libraryであった. BalneotherapyとSpa therapyを検索用のキーワードとして得られた文献を1, 健康作用(浴療法), 2, 健康作用(飲泉療法)そして3, 副作用, 禁忌の3部にまとめた. なお, 各研究の結果を効果ありとされたもの(+)と効果を認めなかったもの(-)に区分し, 研究方法については, 無作為割振試験(RCT)と非無作為割振試験(nonRCT)に区分した. 「結果」[温泉療法の健康作用] 浴療法(Tbble 1)a, 酸性泉 (1)Inoueら1)は, 草津温泉を使用した温泉療法がアトピー性皮膚炎の急性炎症/難治の皮膚炎患者の悪化を制御するのに有効だったと報告した. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.69.223 |