光干渉断層計Cirrus™ HD-OCT測定時の信号強度に対する白内障の影響
【目的】Cirrus™ HD-OCT (以下Cirrus) の信号強度(以下SS) に対する白内障の影響を検討すること。 【対象と方法】2008年5月~2009年1月にCirrusおよびIOLMaster®Ver.3(以下IOLマスター)で計測を行った有水晶体眼のうち白内障術後に再度CirrusとIOLマスターで測定可能であった白内障群53眼と、屈折異常以外に眼疾患のないコントロール群(以下C群)20眼を対象とした。白内障群の核硬化度・後嚢下白内障程度別にCirrusの測定精度の視標であるSSおよびIOLマスターの眼軸長測定信頼係数(Signal-to-Noise Ratio: 以下SNR)に...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 38; pp. 235 - 243 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2009
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Summary: | 【目的】Cirrus™ HD-OCT (以下Cirrus) の信号強度(以下SS) に対する白内障の影響を検討すること。 【対象と方法】2008年5月~2009年1月にCirrusおよびIOLMaster®Ver.3(以下IOLマスター)で計測を行った有水晶体眼のうち白内障術後に再度CirrusとIOLマスターで測定可能であった白内障群53眼と、屈折異常以外に眼疾患のないコントロール群(以下C群)20眼を対象とした。白内障群の核硬化度・後嚢下白内障程度別にCirrusの測定精度の視標であるSSおよびIOLマスターの眼軸長測定信頼係数(Signal-to-Noise Ratio: 以下SNR)について比較を行い、また白内障群をSSが6未満の26眼(以下A群)と6以上の27眼(以下B群)の2群に分け、AB各群の術前後のSS、SNR、矯正視力(logMAR)、Cirrusで測定した黄斑部網膜厚(以下MT)についてC群と比較した。 【結果】白内障群はC群よりSSおよびSNRが有意に低下したが、核硬化度による差はなく、後嚢下白内障は3度以上であるとSSが低下、2度以上であるとSNRが有意に低下した。術前A群はSS・SNR・視力・MTのいずれも術前B群およびC群と有意差があったが、術後は視力以外に有意差を認めなかった。 【結論】CirrusはIOLマスター同様、白内障の影響を受けて測定精度が低下する。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.38.235 |