全表面荷重式下腿義足の臨床適応

PTB式下腿義足は1957年カリフォルニア大学バークレイ校で開発され1), 適合もほぼ良好で自然な歩行が可能となり, 下腿切断の標準的義足となった. しかし, PTB式下腿義足を使用している切断者を詳細に観察すると, ソケット-断端間に若干の問題を生じている症例に遭遇することがある2,3). 近年, これらの問題を解決する可能性があり, 装着感にも優れた全表面荷重式下腿義足〔total surface bearing (TSB) below-knee prosthesis〕が作製されるようになってきたので, 自験例を中心にTSB式下腿義足の特徴や臨床適応につき報告する. PTB式ソケット PT...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 32; no. 6; pp. 381 - 387
Main Authors 緒方, 甫, 蜂須賀, 研二, 堂園, 浩一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1995
日本リハビリテーション医学会
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.32.381

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Summary:PTB式下腿義足は1957年カリフォルニア大学バークレイ校で開発され1), 適合もほぼ良好で自然な歩行が可能となり, 下腿切断の標準的義足となった. しかし, PTB式下腿義足を使用している切断者を詳細に観察すると, ソケット-断端間に若干の問題を生じている症例に遭遇することがある2,3). 近年, これらの問題を解決する可能性があり, 装着感にも優れた全表面荷重式下腿義足〔total surface bearing (TSB) below-knee prosthesis〕が作製されるようになってきたので, 自験例を中心にTSB式下腿義足の特徴や臨床適応につき報告する. PTB式ソケット PTB式ソケットは良好な体重支持を得るために, 膝蓋靱帯, 下腿前内側面・前外側面, 膝窩から下腿後面にかけて圧迫を加えながらギプス採型し, 陽性モデルには削り修正を加えるので, ソケット横断面は三角形に類似した形状を呈する.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.32.381