頭部外傷により多発性動静脈シャントと偽性中硬膜動脈瘤を合併した1例
「はじめに」外傷性頭頚部血管障害は, 全頭部外傷患者の1 - 3%に起こるとされるが, 無症候性の場合, 診断にいたっていないことも予想され, 真の頻度は不明ながら, mortality 14.3%と示す報告もある. より正確な診断を得る検査としては, 脳血管撮影が gold standard である. 今回, われわれは頭部外傷後に, 外傷性頚動脈海綿静脈洞瘻(traumatic carotid-cavernous fistula: TCCF), 偽性中硬膜動脈瘤2カ所, 中硬膜動静脈瘻2カ所, 上矢状洞部硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula: dAVF)を合...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 46; no. 5; pp. 374 - 378 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2018
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.46.374 |
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Summary: | 「はじめに」外傷性頭頚部血管障害は, 全頭部外傷患者の1 - 3%に起こるとされるが, 無症候性の場合, 診断にいたっていないことも予想され, 真の頻度は不明ながら, mortality 14.3%と示す報告もある. より正確な診断を得る検査としては, 脳血管撮影が gold standard である. 今回, われわれは頭部外傷後に, 外傷性頚動脈海綿静脈洞瘻(traumatic carotid-cavernous fistula: TCCF), 偽性中硬膜動脈瘤2カ所, 中硬膜動静脈瘻2カ所, 上矢状洞部硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula: dAVF)を合併した1例を経験した. TCCFに対しては母血管閉塞術を, 偽性中硬膜動脈瘤の1カ所には摘出術を行った. 本症例の経過とともに外傷性頭頚部血管障害について文献的考察を交えて報告する. 「症例」患者: 58歳, 男性. 右利き. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.46.374 |