パーキンソン病患者におけるステップ運動の運動学的解析
パーキンソン病(PD)の運動障害を検討するため,PDと健常者の前方および右斜め前方(側方)へステップする運動と棒をまたぐ運動の運動学的解析をおこなった.すべての課題でPDの運動潜時は健常者より長く,運動時間は短かった.また側方へステップする課題では最大速度および最大速度に達する時間で,棒をまたぐ課題では最大速度に達する時間で,PDと健常者の間に相違がみられた.速度プロファイルでは,PDは健常者にくらべ最大速度到達後,運動が減速する際の負の加速度が急激に増大し,かつ躍度も大きかった.結果よりPDでは運動プログラミング系,運動制御系に障害があり,これには大脳皮質―基底核ループの機能低下の関与が示唆...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 50; no. 2; pp. 74 - 80 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2010
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.50.74 |
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Summary: | パーキンソン病(PD)の運動障害を検討するため,PDと健常者の前方および右斜め前方(側方)へステップする運動と棒をまたぐ運動の運動学的解析をおこなった.すべての課題でPDの運動潜時は健常者より長く,運動時間は短かった.また側方へステップする課題では最大速度および最大速度に達する時間で,棒をまたぐ課題では最大速度に達する時間で,PDと健常者の間に相違がみられた.速度プロファイルでは,PDは健常者にくらべ最大速度到達後,運動が減速する際の負の加速度が急激に増大し,かつ躍度も大きかった.結果よりPDでは運動プログラミング系,運動制御系に障害があり,これには大脳皮質―基底核ループの機能低下の関与が示唆された. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.50.74 |