高齢者入浴サービスにおける入浴可否判断ガイドラインの必要性

I.目的 現在, 寝たきり高齢者や入浴介助の必要な高齢者に対しての入浴サービスは, 主に市区町村や社会福祉協議会により, 訪問入浴, デイサービス, デイケアなどのサービスの中で提供されている. 入浴サービスの対象である65歳以上の者1745万人の中で, 1995年の調査では, 入浴に際して一部介助が必要な人は39.4万人, 全部介助が必要な人は31.3万人1)である. そのうち, 訪問入浴を利用している者は7.7万人2)であり, 利用の希望がある者は14.9万人3)である. 今後, 高齢者の増大や, 介護保険の導入により, 入浴サービスの利用者がさらに増加することが見込まれる. 適切な入浴は...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 63; no. 4; pp. 198 - 204
Main Authors 梶井, 英治, 中村, 好一, 早坂, 信哉, 岡山, 雅信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2000
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.63.198

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Summary:I.目的 現在, 寝たきり高齢者や入浴介助の必要な高齢者に対しての入浴サービスは, 主に市区町村や社会福祉協議会により, 訪問入浴, デイサービス, デイケアなどのサービスの中で提供されている. 入浴サービスの対象である65歳以上の者1745万人の中で, 1995年の調査では, 入浴に際して一部介助が必要な人は39.4万人, 全部介助が必要な人は31.3万人1)である. そのうち, 訪問入浴を利用している者は7.7万人2)であり, 利用の希望がある者は14.9万人3)である. 今後, 高齢者の増大や, 介護保険の導入により, 入浴サービスの利用者がさらに増加することが見込まれる. 適切な入浴は各種疾患の予防, 治癒に効果があり, 有用な心理的効果もあることがこれまでに知られているが4), その一方で高齢者の入浴中の事故も報告されている5). 入浴指導については, 小児において一連の研究がある6-8). しかし, 入浴サービスを希望する高齢者に対しては, 入浴前に血圧や体温などのバイタルチェックが行なわれてはいるものの, 安全な入浴が可能かどうかを判断するための適切な判断基準を示した研究はない.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.63.198