脳深部刺激術後に生じた反復性発話異常に対してペーシングボードが有用であったパーキンソン病の1例

症例は61歳男性である.49歳時に動作緩慢が出現し,パーキンソン病と診断された.発症7年後に脳深部刺激術を施行後,反復性発話異常が出現,増悪し,会話が困難になり,発症12年後に当科を受診した.声量低下,粗糙性嗄声をみとめ,音のくりかえしが顕著だった.薬物調整,刺激部位や強度の調整,Lee Silverman Voice Treatment®をおこなったが,反復性発話異常は改善しなかった.そこでペーシングボードを導入したところ,改善がえられ,意思疎通が良好になった.ペーシングボードは,パーキンソン病でみとめる反復性発話異常に有用であると思われた....

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Published in臨床神経学 Vol. 53; no. 4; pp. 304 - 307
Main Authors 祖父江, 元, 渡辺, 宏久, 田中, 康博, 伊藤, 瑞規, 梶田, 泰一, 鈴木, 淳一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 01.04.2013
Subjects
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.53.304

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Summary:症例は61歳男性である.49歳時に動作緩慢が出現し,パーキンソン病と診断された.発症7年後に脳深部刺激術を施行後,反復性発話異常が出現,増悪し,会話が困難になり,発症12年後に当科を受診した.声量低下,粗糙性嗄声をみとめ,音のくりかえしが顕著だった.薬物調整,刺激部位や強度の調整,Lee Silverman Voice Treatment®をおこなったが,反復性発話異常は改善しなかった.そこでペーシングボードを導入したところ,改善がえられ,意思疎通が良好になった.ペーシングボードは,パーキンソン病でみとめる反復性発話異常に有用であると思われた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.53.304