頭蓋底腫瘍摘出術におけるナビゲーションシステムの有用性

• Published in: 医療 Vol. 60; no. 7; pp. 453 - 458
• Main Authors: 竹本, 安範, 藤津, 和彦, 市川, 輝夫, 武田, 行広, 宮原, 宏輔, 松永, 成生
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 国立医療学会 2006; 国立医療学会
• Subjects: ナビゲーションシステム; 頭蓋底手術; 頭蓋底腫瘍
• ISSN: 0021-1699; 1884-8729
• DOI: 10.11261/iryo1946.60.453

2001年1月より2005年12月まで光学式ナビゲーションシステム(Stealth Station TREON, Medtronic Sofamor Danek社, Minneapolis, MN)支援下で24例の頭蓋底腫瘍摘出術を行った. この使用経験をもとにナビゲーションシステムの頭蓋底外科における有用性を検討した. 内訳は髄膜腫11例, 神経鞘腫4例, 下垂体腺腫4例, 形質細胞腫2例, コレステロール肉芽腫2例, 類上皮腫1例, 腫瘍の部位別に分類すると鞍上部/傍鞍部8例, 鞍結節部/前床突起部6例, 錐体斜台部5例, 大孔部2例, 頭蓋外伸展3例であった. ナビゲーションは全例において問題なく行われ, 大きな髄膜腫における栄養動脈の早期処理, 腫瘍に埋没した主幹動脈の確保, 頭蓋底, 頭蓋外に侵潤した腫瘍の切除, 再手術の際などに重要な役割を果たした. ナビゲーションシステムは頭蓋底外科においてより安全で確実な手術を行うためにきわめて有用な手術支援機器であると考えられた.