急性白血病患者における臨床試験参加の意思決定プロセス

臨床試験に参加した12名の急性白血病患者を対象に,臨床試験の意味,臨床試験参加の意思決定プロセス,およびその要因と構造を明らかにする目的で,半構成的面接を実施し質的帰納的に分析した。  その結果,臨床試験参加の意思決定は【衝撃的な出来事に対する反応】【衝撃的な出来事に対する行動】【生存への希望の探求】【保有している白血病に対する認識】【生命を揺るがす緊迫感】【身近にいる献身的な存在】【意思決定への洞察行動】【臨床試験に対する肯定的認知】【臨床試験に対する否定的認知】【決断への奮起】【臨床試験参加への処決】の11のカテゴリーで構成されていた。また臨床試験参加の意思決定のなかで,対象者は臨床試験に...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 36; no. 2; pp. 2_23 - 2_34
Main Authors 熊谷, 理恵, 野澤, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.06.2013
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20130426003

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Summary:臨床試験に参加した12名の急性白血病患者を対象に,臨床試験の意味,臨床試験参加の意思決定プロセス,およびその要因と構造を明らかにする目的で,半構成的面接を実施し質的帰納的に分析した。  その結果,臨床試験参加の意思決定は【衝撃的な出来事に対する反応】【衝撃的な出来事に対する行動】【生存への希望の探求】【保有している白血病に対する認識】【生命を揺るがす緊迫感】【身近にいる献身的な存在】【意思決定への洞察行動】【臨床試験に対する肯定的認知】【臨床試験に対する否定的認知】【決断への奮起】【臨床試験参加への処決】の11のカテゴリーで構成されていた。また臨床試験参加の意思決定のなかで,対象者は臨床試験に対して最良法と認める,治癒する唯一の方法,他者のために貢献できるという意味や価値を見出していた。  急性白血病患者が置かれた状況を見つめ,臨床試験に対する価値の転換が行えるように看護支援することの重要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20130426003