地域保健福祉計画策定における住民参画のあり方

地域保健福祉計画策定における住民参画のあり方と, 住民参画を促進するための保健婦の役割を明らかにすることを目的に, 一町における2年1カ月間の介護保険事業計画策定過程から, 「住民参画を促進する」という観点で保健婦が実施した行為とその意図を抽出し分析した.その結果, 住民参画のあり方では, 行政側と参加者との対等な立場での協議, 住民自身が取り組むべき課題の明確化が重要であった.そのために保健婦は, 参加住民への働きかけに加えて, 行政側の「住民参画」に関わる意思統一を図るためのスタッフへの働きかけと, 組織的な取り組みの体制確保のための首長への働きかけとを同時並行で行うことが必要であった.ま...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 3; pp. 193 - 201
Main Authors 矢島, まさえ, 佐藤, 由美, 大野, 絢子, 長岡, 理恵, 常見, 理英, 小林, 亜由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2001
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.51.193

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Summary:地域保健福祉計画策定における住民参画のあり方と, 住民参画を促進するための保健婦の役割を明らかにすることを目的に, 一町における2年1カ月間の介護保険事業計画策定過程から, 「住民参画を促進する」という観点で保健婦が実施した行為とその意図を抽出し分析した.その結果, 住民参画のあり方では, 行政側と参加者との対等な立場での協議, 住民自身が取り組むべき課題の明確化が重要であった.そのために保健婦は, 参加住民への働きかけに加えて, 行政側の「住民参画」に関わる意思統一を図るためのスタッフへの働きかけと, 組織的な取り組みの体制確保のための首長への働きかけとを同時並行で行うことが必要であった.また, 協議方法・協議内容の段階別設定, 参加者の理解・関心に対応した資料提示, 参加者個々の意見のフィードバック等, 住民参画の促進に有効な方法が明らかになった.これらのことを, 地域保健福祉計画策定過程において意図的に実施することの必要性が示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.51.193