術後胆嚢癌と診断された胆嚢軸捻転症の1切除例

術後胆嚢癌と診断された胆嚢軸捻転症の1例を経験したので報告する。症例は83歳, 女性。右上腹部痛を主訴に当科受診。血液検査で炎症反応を認め, 腹部超音波, CT検査では, 少量の腹水貯留, 胆嚢の著明な腫大ならびに頸部の壁肥厚を認めたが, 胆嚢頸部に結石の嵌頓はなく胆嚢管は不明瞭であった。急性胆嚢炎の診断で緊急手術を施行したところ, 胆嚢は胆嚢管を軸として時計回りに540°捻転していた。捻転を解除し胆嚢摘出術を行った。術後病理検査で胆嚢癌と診断され, 術中所見と合わせた総合進行度はStage IIであった。胆嚢癌合併胆嚢軸捻転症では, 胆嚢壊死, 穿孔による胆汁性, 癌性腹膜炎などの合併症を念...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 23; no. 3; pp. 521 - 524
Main Authors 森田, 康, 中本, 光春, 河野, 誠之, 島田, 悦司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2003
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.23.521

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Summary:術後胆嚢癌と診断された胆嚢軸捻転症の1例を経験したので報告する。症例は83歳, 女性。右上腹部痛を主訴に当科受診。血液検査で炎症反応を認め, 腹部超音波, CT検査では, 少量の腹水貯留, 胆嚢の著明な腫大ならびに頸部の壁肥厚を認めたが, 胆嚢頸部に結石の嵌頓はなく胆嚢管は不明瞭であった。急性胆嚢炎の診断で緊急手術を施行したところ, 胆嚢は胆嚢管を軸として時計回りに540°捻転していた。捻転を解除し胆嚢摘出術を行った。術後病理検査で胆嚢癌と診断され, 術中所見と合わせた総合進行度はStage IIであった。胆嚢癌合併胆嚢軸捻転症では, 胆嚢壊死, 穿孔による胆汁性, 癌性腹膜炎などの合併症を念頭におき, 早期の診断, 治療が重要であると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.23.521