Bell麻痺完全麻痺症例に対するステロイド大量療法の検討 ステロイド2クール療法の是非
(目的) Bell麻痺完全麻痺症例に対しステロイド大量投与療法を施行し, その有効性を検討するともに初回投与量, 総投与量を増やすことによる治療効果の差, 副作用の頻度を調べ, ステロイド2クール療法の是非を検証した. (対象と方法) 発症2週間以内にステロイド大量療法を施行し, 経過を追うことができたBell麻痺完全麻痺102症例を対象とした. ヒドロコルチゾン600mg1クール群, 2クール群, 1200mg1クール群, 2クール群の治癒率, 症状固定期間, 副作用出現率を比較検討した. (結果) ステロイド大量投与療法はBell麻痺完全麻痺症例に対して有効であることが示唆されたが, 各群...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 110; no. 10; pp. 665 - 671 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
2007
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.110.665 |
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Summary: | (目的) Bell麻痺完全麻痺症例に対しステロイド大量投与療法を施行し, その有効性を検討するともに初回投与量, 総投与量を増やすことによる治療効果の差, 副作用の頻度を調べ, ステロイド2クール療法の是非を検証した. (対象と方法) 発症2週間以内にステロイド大量療法を施行し, 経過を追うことができたBell麻痺完全麻痺102症例を対象とした. ヒドロコルチゾン600mg1クール群, 2クール群, 1200mg1クール群, 2クール群の治癒率, 症状固定期間, 副作用出現率を比較検討した. (結果) ステロイド大量投与療法はBell麻痺完全麻痺症例に対して有効であることが示唆されたが, 各群間にて治癒率, 症状固定期間に差が生じなかった. 重篤な副作用は認めなかったが, 副作用出現頻度は過去の報告に比べ高かった. (結論) ステロイド療法を2クール施行しても治療効果は上がらず, むしろ副作用が多くなることから2クールのステロイド療法は意味がないと考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.110.665 |