小児用補助人工心臓の試作と性能評価および適用症例の検討
当センターで過去に経験した小児先天性心疾患開心術後重症心不全例を対象に, 補助人工心臓の適用を検討した。さらに, これらの症例にも適用が可能な小児用補助人工心臓を試作し, その性能を, 模擬回路による実験および急性動物実験により評価した。過去2年9ケ月の間に経験した例のうち, 補助人工心臓の適用になると思われた症例は10例で, 年令は1才~16才, 体重は8.5kg~50.4kgであった。一回拍出量が, それぞれ約20mlと40mlのS型とM型の空気圧駆動ダイアフラム型の小児用補助人工心臓を試作した。conduitは内径6mmまたは8mmのものを用いた。模擬回路による実験ではS型は3.08L/...
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Published in | 人工臓器 Vol. 13; no. 1; pp. 241 - 244 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1984
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Summary: | 当センターで過去に経験した小児先天性心疾患開心術後重症心不全例を対象に, 補助人工心臓の適用を検討した。さらに, これらの症例にも適用が可能な小児用補助人工心臓を試作し, その性能を, 模擬回路による実験および急性動物実験により評価した。過去2年9ケ月の間に経験した例のうち, 補助人工心臓の適用になると思われた症例は10例で, 年令は1才~16才, 体重は8.5kg~50.4kgであった。一回拍出量が, それぞれ約20mlと40mlのS型とM型の空気圧駆動ダイアフラム型の小児用補助人工心臓を試作した。conduitは内径6mmまたは8mmのものを用いた。模擬回路による実験ではS型は3.08L/分, M型では3.87L/分の最大拍出量を維持し得た。特にS型は頻脈に対して良好な追従性を示した。心不全を作製した雑種成犬を用いた急性動物実験では, 装着が容易で, 補助人工心臓の駆動により, 良好な左房圧の低下, 全身循環の維持効果がみられ, in vivoにおいても優秀な性能を示した。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.13.241 |