内視鏡下鼻副鼻腔手術―副損傷の回避
内視鏡下鼻副鼻腔手術は全国で年間約5万件以上行われている術式であり, 若手からベテランまで, 多くの耳鼻咽喉科医が執刀する手術である. 内視鏡下鼻副鼻腔手術における副損傷については, 眼窩紙様板損傷, 頭蓋底損傷, 血管損傷, 鼻涙管損傷, 視神経管損傷があり, それぞれ Major と Minor で定義されている. 副損傷は患者・医師双方にとって重大な問題であり, 術中副損傷の発生を回避することが第一である. 本稿では副損傷を避けるために必要な事前プランニング, 特に CT による危険部位の把握について概説する. 具体的には 1) 篩板損傷: CT による頭蓋底損傷リスクの評価法, 2)...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 11; pp. 1532 - 1537 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
20.11.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2436-5793 2436-5866 |
DOI | 10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1532 |
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Summary: | 内視鏡下鼻副鼻腔手術は全国で年間約5万件以上行われている術式であり, 若手からベテランまで, 多くの耳鼻咽喉科医が執刀する手術である. 内視鏡下鼻副鼻腔手術における副損傷については, 眼窩紙様板損傷, 頭蓋底損傷, 血管損傷, 鼻涙管損傷, 視神経管損傷があり, それぞれ Major と Minor で定義されている. 副損傷は患者・医師双方にとって重大な問題であり, 術中副損傷の発生を回避することが第一である. 本稿では副損傷を避けるために必要な事前プランニング, 特に CT による危険部位の把握について概説する. 具体的には 1) 篩板損傷: CT による頭蓋底損傷リスクの評価法, 2) 眼窩損傷: Haller cell と陳旧性眼窩骨折の見落としについて, 3) Onodi 蜂巣: 蜂巣内を走行する視神経の位置関係, 4) 蝶形骨洞: 含気の評価と蝶形骨洞中隔の処理, 5) 血管損傷: 後鼻動脈の扱いと前篩骨動脈の走行位置, 6) 鼻涙管損傷: 鼻腔側壁と下鼻甲介の解剖について順に解説する. |
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ISSN: | 2436-5793 2436-5866 |
DOI: | 10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1532 |