沖縄島,奄美大島および鹿児島市に定着していた外来種フイリマングースHerpestes auropunctatusの形態的変異について
「摘要」フイリマングースHerpestes auropunctatusは, インドから日本に導入された. 沖縄島に導入されて約100年, 奄美大島と鹿児島市に移入されて約30年が経過した各個体群の形態的変異を検討した. その結果, 3地域とも性的二型が明瞭であった. 全長や頭胴長の平均をみると, 雌雄ともに鹿児島市産で短かった. 体重は高緯度ほど重かった, 鹿児島産のずんぐりした体型は, 温帯域での適応現象と考えられる, 頭骨の形状について, 鹿児島市産で大型化の傾向を示し, 頬骨弓幅の拡大が示された. また, 頬骨弓幅-脳函幅の差が沖縄島産に比べて大きかった. これらは, 冬季の食物として小...
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Published in | 哺乳類科学 Vol. 62; no. 2; pp. 215 - 223 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本哺乳類学会
2022
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Subjects | |
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Summary: | 「摘要」フイリマングースHerpestes auropunctatusは, インドから日本に導入された. 沖縄島に導入されて約100年, 奄美大島と鹿児島市に移入されて約30年が経過した各個体群の形態的変異を検討した. その結果, 3地域とも性的二型が明瞭であった. 全長や頭胴長の平均をみると, 雌雄ともに鹿児島市産で短かった. 体重は高緯度ほど重かった, 鹿児島産のずんぐりした体型は, 温帯域での適応現象と考えられる, 頭骨の形状について, 鹿児島市産で大型化の傾向を示し, 頬骨弓幅の拡大が示された. また, 頬骨弓幅-脳函幅の差が沖縄島産に比べて大きかった. これらは, 冬季の食物として小型哺乳類や鳥類に大きく依存し適応した特徴と考えられる. 鹿児島産の後足長が長かった. これは土壌中の幼虫の掘り出しと摂食に有効に機能していると考えられる. 奄美大島産における尾長や後足長の短さは, 起伏の多い山地への適応と考えられる. |
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ISSN: | 0385-437X 1881-526X |
DOI: | 10.11238/mammalianscience.62.215 |