Poloxamer 188, Haptoglobin併用による長時間体外循環時溶血防止効果

長時間体外循環時の溶血は急性腎不全の原因となり, 手術成績に影響を及ぼす. 溶血防止剤Poloxamer 188により体外循環開始より60分までは対照群と有意差がみられたが, 90分以降は有意差がみられず, したがって追加投与の必要があるが, 副作用の点で若干の問題がある。一方血漿中のFree-Hbは, ハプトグロビン(Hp)と結合し肝で処理され血中から消失していく. このため開発された人精製Hpは即効的であるが, この複合体の処理能力には限界があり, やはり大量投与は問題となる. そこで長時間体外循環時に両者の併用療法を行なったところ, 120分のFree-Hb10.4±18.0mg/dl,...

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Published inJinko Zoki Vol. 13; no. 1; pp. 450 - 453
Main Authors 北川, 茂久, 倉橋, 忠司, 土岡, 弘通, 永田, 昌久, 中井, 堯雄, 福田, 巌, 加藤, 真司, 小林, 正治, 近藤, 三隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1984
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
Subjects
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.13.450

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Summary:長時間体外循環時の溶血は急性腎不全の原因となり, 手術成績に影響を及ぼす. 溶血防止剤Poloxamer 188により体外循環開始より60分までは対照群と有意差がみられたが, 90分以降は有意差がみられず, したがって追加投与の必要があるが, 副作用の点で若干の問題がある。一方血漿中のFree-Hbは, ハプトグロビン(Hp)と結合し肝で処理され血中から消失していく. このため開発された人精製Hpは即効的であるが, この複合体の処理能力には限界があり, やはり大量投与は問題となる. そこで長時間体外循環時に両者の併用療法を行なったところ, 120分のFree-Hb10.4±18.0mg/dl, 180分31.3±32.1mg/dlと対照群より有意に低く, この時の両者の投与量はPologamer 1mg/1ml, Hp 4000単位であり, 追加投与可能であるため, さらに長時間の体外循環, 補助循環に応用されると思われる.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.13.450